松戸鍼灸 自律神経失調症の4か月の治療経過

2021/10/11 ブログ
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重度の自律神経失調症。5年前からの発病でその間2人の鍼灸師の治療と精神科医の診断治療を数々受けているが好転せず。好転してもすぐ元に戻ってしまい直近の1年前から医師の忠告により仕事を休んで休養するも好転の兆しがなく藁をもすがる思いで往診依頼して来ました。

以前は鍼灸治療の後。次の日は反動で起きられずひどい時は2日寝ていたそうです。これは過度の治療による反動です。

治療は週2回の往診に決まりました。

主訴は胸の痛みと違和感、動悸、外出不安、体のしびれ、頭痛などです。

診断=夜中目覚めて寝られない。大便は4日に1度。喉のつかえ、首は懲り頭痛あり。肩は左が凝って左胸も凝る。背中、腰が凝る。胸、腹共に張る。手足痺れる。耳鳴りあり。外に出ると音がうるさくて外出不可能。

44歳男性で色白の瘦せ型で典型的な肺虚証体質。声が小さく言語不明瞭。

触診では上腹部の中央から下腹部の中央まで硬くなっており特に臍から下が鉄板のように固く動悸がひどいのが特徴。

この下腹部の動悸が気になるそうです。下腹部の硬直と動悸は末期症状の一つで放置すると癌に移行する前触れでもある。典型的な陰虚火動の症状で腎が徹底的に虚したために腎の水が弱り押さえが効かなくなって上半身が炎上している症状です。

症状としては腎虚の症状と肝虚の症状と肺墟の症状が現れていました。

今にも壊れそうな状態にコワレ物を扱うような状態で0番鍼を使った軽い散鍼をして筋や神経を司どる精神病に多い肝虚証で治療しました。しばらくはごく軽い治療を続けていましたがすぐに睡眠が取れるようになり陰の虚が補われた結果睡眠がとれたので好転の兆しが掴めました。

しかし優しい治療を継続するのは理想ですが経済的な面を考えると早く好転させる必要性があり3番鍼を使った深めの置鍼に切り替えるように方向転換して少しずつ様子を見ながら置鍼の量を増やしていきました。治療の翌日の反動もなく施術するたびに快方に向かっています。

苦痛だった症状も少しずつ減って4か月目には脇の肋骨の痛みが去って両乳首の間に痛みが移行。最近は主証が腎虚に変わることが多く(肺虚証は肺と腎の虚です)肺肺墟体質に近い腎虚証は良い方向への変化の兆しが出てきました。最近では散歩もできるようになり運転もできるようになってきました。

最近の症状

主証は腎虚証に変わりストレスに深くかかわる喉のつかえはのどぼこわばりに変化し胸の痛みも左右に出て両乳首の間に移行しました。一案番心配していた臍下の動悸と鉄板状のしこりもだいぶ減って臍下5cm位になり動悸はまだ残っているのでこれが取れることは課題です。歩きだしたら腰の痛みを感じだしお腹が張る感じはまだあるが便痛は少し改善。腰の痛みは減少。時々足の痛みを感じる程度。背中と肩は時に痛む。置鍼中心に皮内鍼を3か所くらい使っていますが気力体力ともに徐々に回復状態です。6月11日から治療開始。5年間の闘病かみると確実に回復基調です。