松戸鍼灸 経絡治療とは その2
鍼灸の治療方法の中で東洋医学の根幹をなす病気に掛かり易くなった体を治すことが目的でそれを実行できるのが唯一経絡治療です。経絡治療では病気に掛かり易くなった体を根本的に治すために本治法という治療方法が生み出されました。経絡の流れが不調になると体のバランスが崩れ生まれ持った自然治癒力や免疫力が弱って病気に掛かり易い体になります。そこでどの経絡が異変を起こしたのか?どの経絡に施術したらバランスのくずれを治して元の健康体に戻せるのかを決定して治療をするのが経絡治療です。この治療方法を本治法と呼びます。
4つの診断方法の内で本治法を決めることが出来るのは切診の中の脈診だけです.それだけに脈診を物にするには長年の修練が必要で高度の技術が必要です。
現在脈診を指導できる指導者はほとんど皆無に近くこれだけ高度な技術と理論があるのにほとんど使いこなせないままです。宝の持ち腐れでとても残念です。
本治法は証に従って治療しますがこれを隋証療法と呼びます。この証を決めることが出来るのが脈診です。逆に言えば脈診が出来なければ根本療法や隋証療法は成立しません。
現在の鍼灸師のほとんどが東洋医学の特徴である根本療法出来ず対症療法だけに終わっています。または根本療法を理解しないで対症療法の病気の原因を根本療法と称して取り違えています。
現在最も多く使われているのは肝虚証、腎虚証、脾虚証、肺虚証の4つで心虚証は死を意味するので対象外です。なぜ虚証中心に治療が多く行われているのかは現代社会のほとんどが気を使いすぎ精神を病んだりすり減らしたりストレスにやられたりで内面がやられることで病気になっています。内面をやられると陰がやられ虚になりやすくなります。
今コロナ一辺倒ですが政府やマスコミは恐怖を煽っています。結果どうなるかと言えば恐怖は腎を破り自然免疫力や抵抗力が減少し精神的にもやられる人が多くなります。行き過ぎは弊害が生まれます。
実証はどのようなときに出るかと言えばウイルスや風邪。コロナ初期などによる熱症状の出たときや冷えによる発熱など熱症状が多く大腸実証や膀胱実証などが出やすいです。多くは一過性の実証です.1経又は陰陽の2経の異変によるものは何なに経の虚又は実と言って証とは呼びません。
肝虚証とは肝経と腎経の虚証であり。腎虚証は腎経と肺経の虚証であり、肺虚証は肺経と脾経の虚証であり、脾虚証は脾経と心包経の虚証を言います。セットになっています。実際は3経.4経に異常が出でもその中でどの経絡を中心に治療するかを決定する時は2経を中心に治療します。現在治療している人で肝経と腎経と肺経が病んでいる人がいますが主証は肝虚証で治療しています。
治療の実態は主証が決定すると治療法則に従ってどのツボを治療するかが決まってきます。その中で取捨選択します。肝虚証なら肝経と腎経の経絡の手足のツボに治療します。更に井上師はその先を読んで陽経のツボにも治療して陰陽のバランスを整えます。
井上師の門下生の多くは本治法で普通の鍼=豪鍼を使うとやり過ぎてかえって気を損じるので多くは井上式提鍼を使って刺入せずに接触鍼を使っています。
本治法と同時に悩んでいる症状を取り除くための対症療法を行います。肩こり頭痛、不眠、腰痛などです。鍼は気を動かして治療するので特に精神疾患、自律神経失調症や鬱病は得意分野で於血と言ってうっ血などにより治りにくい交通事故の後遺症や不妊治療その他多様な疾患に応用できます。
根本療法と併用することで病気の根源が治るので多くは再発が防げます。