松戸鍼灸 経絡治療とは その1
鍼灸界のほとんどが症状を取る治療に追われています。昔も同じでした。しかし昭和時代に我々の大先輩たちが協力してもっと本質的な治療を目指して研究した結果生まれたのが経絡治療です。
その中でも突出して最先端まで追求した人が私の師井上恵理師で私はその最後の数少ない直弟子です。
コロナでもお分かりのように西洋医学は病気の原因を探してそれに向かって病原菌をやっつけるることを目的としています。しかし病原菌は次から次に異変株が生まれて来るのでそれに対抗して次から次に追及する方向に迫られ鼬ごっこです。ある意味それが限界です。また解剖から発達しているので人間を部品として見ており目は眼科、耳は耳鼻科というように分野が分かれ手術など外科的な分野は優れていますが統一体としての人間、有機体としての人間を見る目が欠けており西洋医学は病気を治すのが目的です。現在西洋医学の行き詰まりが指摘されています。
対して東洋医学は菌に犯されるのは体が弱っているからで体が健康なら病気に掛かりにくいと考えています。
だから病気その物を治すというより病気に掛かり易くなった体を治すことが目的でこれを根本療法と言います。
体が弱るから病気になるので体を治せば病気の根本は治るという考えです。目や鼻や胃腸疾患、頭痛肩凝りその他の症状は体の根本のバランスが崩れることによって引き起こされる病気なのでこれらはすべて枝葉の問題としてとらえています。
根本は体のバランスの崩れから引き起こされるのでこれを幹が不健康になった状態として捉え鍼灸ではこれを本治法と言い幹の根本を治します。
枝葉の病気は標治法によって治療します。一般の鍼灸師が言っている病気を根本的に直すと言っている根本は体全体を捉えているのではなく部品である症状の原因、対症療法の原因を根本としてとらえているので根本療法の本質を誤っています。
経絡治療では病気になる根本の幹の部分を治すことを根本の治療と言い本治法と言います。この本治法と対症療法である標治法を同時に行うことでより良い成果を上げることが出来ます。
鍼灸の診断方法は望、聞、問,切の4つに分かれて居り望は見て診断することで体形、体の色や艶など外見的なものを見ます. 聞は声の大小や言葉の明瞭度、声の質、うめき声など耳から聞こえる情報や体臭等においに関する情報を見ます。切は触ることによる診断で各経絡の部分を触ってみたり腹や全体の触診をしますがもっとも大切なのは脈診です。脈診が根本療法を決めるカギとなりである
体のバランスの原因がどの経絡にあるのかを脈を探って治療方針を決めるので最も大切な診断法になります。逆に言えば脈診が出来なければ根本療法はできません。
脈診によってどの経絡が病んでいるのか判断するのです。結果どの経絡を治療するか決定します。
他の診断方法はある程度の予想は付けますが最終診断は脈診が決定します。
鍼灸では12又は14の経絡という血液やリンパなどと違った別の流れがあると考えておりこれらは体験を通して考えられた物であり循環しています。この流れがとどこおったり悪くなると病気が起こると考えています。鍼灸では目に見えるの物を血として認識し目に見えないものを気としてとらえています。気を動かすことによって鍼は病気を治し、灸は血を動かして病気を治します。
この流れの悪くなったものを治療によって正常に戻せば病気は治ります。
経絡の流れが悪くなると経絡に異常が出ます。そこでどの経絡経絡に異常が出たかを察知して治療方針を決定するのが脈診で主証を決定し本治法が決まります。体の幹の部分の治療法です
脈診の見方は2通りあり脈拍の速い遅い、大小、強い弱いなどによって診断する方法を脈状診と言い病気の原因や症状、予後などを予測します。
もう一つは比較診と言って脈を触る深さと幅の大小によって陰陽のバランスがとれているかどうかを判断してどの経絡に異常があるかを見分ける診断方法です。主証の決定は比較診で見ます。