鍼灸で1番大切な根本療法とは  松戸鍼灸

2021/01/27 ブログ
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本当の根本療法とは
 東洋医学で言う根本療法とは西洋医学ではコロナのように病気の原因である細菌を見つけることが病気の根本であると考え病気その物を治すワクチンや薬の開発をします。つまり病気を治すことが目的です。

 東洋医学では病気その物を治すのが目的ではなく病気に掛かるような弱った体を治すのが目的です。
 コロナに掛かっても発病する人と発病しないひとがいます。この発病しない人を作ることが目的です。
 人はストレスや過労、睡眠不足などで体調を崩し自然治癒力や免疫力が落ち様々な病気に掛かりやすい状態になります。このバランスの崩れを調整して正常に戻す治療方法が根本療法です。
 病気を治すのではなく病人を治すのが根本療法です。

 人は病気や症状を追う事に走りやすく痛みやしびれなどの原因を治せば病気が治ったと勘違いしますが大元の体のバランスの崩れはそのままです。根本的に直した事にはなりません。だからまた病気に掛かりやすい状態のままです。


 漢方では診断の結果治療方法が決まり葛根湯で治す場合は葛根湯の証とか麻黄湯の証とかいいます麻黄湯 で治す場合は麻黄湯の証とかいいます。

 鍼灸では病気の症状や病気の直接的な原因を治すことは根本治療とは言いません。ほとんどの鍼灸師が言っている病気を根本的に直すと言っているのはこの病気の直接的な原因を取り除く事を指しています。
 

本質的なものを理解していないのです。その最大の理由は東洋医学の本質を理解している優秀な指導者がいないからです。
 

東洋医学の根幹である体を治すという事は体の根幹である体のバランスの崩れを調整して病気に掛かりにくい体を作ることなのです。


根本療法の具体的な方法は?
 鍼灸の診断方法には望、聞、問,切という診断方法があり望は見ること、聞は音やにおいで診断する事、問は質問して聞くことで情報を得ます。切は体を触る接触診と1番重要な脈診があります。

 脈診は高度なもので優秀な熟練者や指導者から直接指導を受けなければ書物では到底身に着けられません。しかも身に着くまでに長い期間を要します。残念ながら良い指導者は皆無に近い状態です。
 
 脈診では病気の状態、原因,生死、病気の予測など様々な情報を読み取ります。
 そして根本療法を実現化するための決定権を握っています。
 

根本療法を具現化するために我々の大先輩が昭和時代に苦労して築き上げたものが経絡治療です。
 根本療法を鍼灸で実現するには体のバランスの崩れを探し出しどの経絡をどう調整するか決める必要があります。

具体的には脈によって肝虚証とか腎虚証とか決めて、それに従って手足のツボを使って施術して体のバランスの崩れを調整して,病気に掛かり難い体を作っていきます。これを随証療法と言います。
 
 ほかの診断方法では予測はできても決定権は脈診が握っています。したがって脈診を熟知していないと根本療法は実現できません。

 随証療法は体のバランスを調整して病気に掛かりにくい体を作るのが目的で木で言えば幹です。この幹を調整する根本療法を本治法と言って最も大切なものです。
 

それぞれの病気や症状は枝葉に当たり対症療法として標治法と言います。
 ほとんどの鍼灸師が言っている根本療法はこの標治法に入ります。

 脈診が出来、本治法ができるのは日本でもほんのひと握の人だけです。

幸い私は直接針を刺す然鍼法の最高の師である井上恵理氏と管鍼の名手岡部素道氏に直接師指導を受け特に技術理論ともに最高の師である井上師には厳しく指導されました。

師は習って5年弱で亡くなりました
がなぜか存命中に先生の講義を聴けるのは今の内だと思って生きているうちに学んでおこうと思い必死した。そして不幸にも予感は的中しました。
私は最後の弟子のひとりです。その後は研究会を立ち上げたり後輩の指導を続けてきましたが東洋医学の本髄をきちんとつかめる人はごく少数です。私も年齢から言っても後輩に技術と理論を伝える義務があり
ます。

昨年ころアメリカで鬱病について鍼灸の働きなどを紹介した記事をパソコンで目にしましたがそのひとは井上師が伝えたかった治療方法や本質をしっかり掴み理解しているのに驚きました。50年以上も前なの
でほとんど資料も情報も入ってこないはずなのにどこから学んだのか今もって不思議です。