肩こりの原因と対策方法について その2 松戸鍼灸
今回は肩こりの別の角度から見てみましょう。
肩こりの直接的な原因
肩や首のコリや不調の直接的な原因は肩や首の筋肉が固くなるのが原因です。
筋肉が硬直するのは筋肉に無理な負担がかかったり無理に伸ばされると損傷を防ぐために収縮という信号が出て筋肉がちじみ太く硬くなります。筋肉が固くなると血管を圧迫して血行が悪くなり酸素が不足します。
それを知らせるためにブラキシニンという物質が出ることいよって肩こりや首のコリと痛みが出るという仕組みになっています。
対策としては肩や首の周辺の固くなった筋肉の上にあるツボに鍼をしてほぐし棘上筋、胸鎖乳突筋、大腰筋、大胸筋、前鋸筋付近のツボに鍼を施します。
更に猫背やパソコン、携帯の使い過ぎによって起こる前かがみの姿勢を改善する事も大切です。それによって首や肩に負担がかからないようにします。
これらは直接的に肩や首に負担がかかることによって起こる首や肩の不調やコリと治療法です。
肩コリはこのような単純な筋肉疲労によるものばかりではありません。
その他の肩こりの原因
肉体や精神疲労、寝不足やストレスなどによって自律神経のバランスが崩れ消化器系の内臓の働きが低下したり脳内ホルモンが乱れで肩コリが起こることもあります。
また内蔵その物の疲労だけでなく胃腸の不調によって起こる便秘も肩コリになります。
ブラジャーも長時間着用すると胸や肩を圧迫して肩こりにつながります。パソコンや携帯の長時間の使用は指や腕、特に目に多くの負担がかかり前傾姿勢も加わって肩や首のコリに大いにかかわります。
更に首の骨その物や首の回りの筋肉や靭帯に異常がある場合も肩こりにかかわってきます。
肩こりのタイプ
1 筋肉疲労による肩こり
2 パソコンや携帯に長時間使用による目、
腕など手、前傾姿勢,肩の負担による肩
コリ。
3 自律神経のバランスの崩れによる肩こり
4 精神疲労やストレス性の肩こり
5 ハイヒール使用による肩こり
高血圧症、低血圧症、がん、うつ病その他の精神疾患その他あらゆるものが肩こりにかかわってきます。
ハイヒールは直接的には指先と足首に負担がかかり,
下肢の外側の胃経,胆経,膀胱経の筋肉に負担がかかり更に腰や背中の筋肉を含め肩に負担が掛かります。
鍼治療の方法
1 筋肉疲労による肩こりは首、肩、上腕
部、三角筋のツボを使います。
2 自律神経のバランスの乱れには首、頭
顔面、肩,、背部などのツボ、壇中
巨けつ、鳩尾、内関等のツボ
3 パソコンや携帯の使い過ぎには目、頭
首、肩、前傾姿勢には背中と腰。手のツ
ボを使う。
4 ストレス性の肩こりには肩、 胃、大腸
のツボと壇中、巨けつ、鳩尾、内関等。
5 ハイヒール性の肩こりにはアキレス腱近
辺のツボ、下腿の胃経、胆経、膀胱経の
ツボ、腰、背中の痛むところ。
その他骨盤部や下腹部部に施術するときもあります。これらによって原因となっている自律神経や内臓にもよい影響が出ます。ただし頭痛があって吐き気のある時はくも膜下出血の疑いもあり要注意です。
以上肩こりを中心に話をすすめてきましたが東洋医学の立場から見ると肩コリや頭痛などの各種の症状や病気は単に枝葉の問題です。東洋医学の大きな特徴は病気その物を治すのではなく病気に掛かりやすくなっている体を治すことにあります。今までに述べたことは単に肩こりだけに限定した原因や治療なのです。これだけでは体を治すことになりません。これらは標治法と言って本質ではありません。
ストレスや過労、精神や神経の消耗などによって病気になっている体その物を治すのは本治法と言って別にあります。
ほとんどの人がやっていない本治法とは病気になるようなバランスの崩れた体を正常に戻して初めて本当の治療になります。
本治法と標治法と組み合わせて初めて本当の治療になるのです。
経絡治療でいう本治法は鍼灸でいう4診という診断法の中で特に大切なものは脈診と言ってすべてを決定する大切なもので熟練を要する高度な技術です。
脈を診て病気の状態や経過、予後などを見ます。どの経絡を施術すれば病気の元になる体のバランスの崩れを元に戻せるかを決定します。そして手の肘から下、足の膝から下のツボを選んで施術して体を良い方向に調整します。この本治法が最も大切な方法で根本的に病気になるになるような体を元の正常な状態に戻していく事が大切です。