松戸鍼灸 腎の症状 その3
皮膚が枯れ痩せる。圧痛点がある。病状を細かく訴える人で慰めると喜ぶ人が該当。色黒、疲れやすい。長く立つと腰の痛む人は現在の病状が腎虚証又は腎虚証体質の人です。
以上各臓器の症状についてお伝えしました。
私達が治療に使っているツボは経絡という12から14の系統の流れの中にありこれらは長い臨床体験の中で考え出された物で現在の西洋医学では解明されていません。血管や神経の経路とは違っておりますが私は貴重な体験を1度だけしています。
長野県に戸隠という修験者の山があるのですが頂上の手前に蟻の戸渡という難所があり毎年転落者が出る恐ろしいところです。そこを何とか登って頂上に行きました。そのあと一般コースを外れて左の西方面に行ったのですが5m幅の尾根は一面丈の高い笹に覆われ歩くところだけ鎌で刈ってあり切り口が刺さりそうなところを滑りながら降りて、少し登っところが頂上らしいのでそこから引き返しました。途中出会ったのは2人だけでした。
途中大きな岩に足をぶつけてびっこをひき急いで登っていきました。頂上から2,300mくらいのところで3m以上ある笹で前が見えないところでいきなりがさっと音がしました。2,3mの距離です。とっさにクマだと思って瞬きしたら負けると思って目を見開きました。私はとっさな時は妙に冷静で紅葉でオレンジに染まった夕日がきれいだなとか、こんなところで悲鳴を上げても誰も助けてくれないと思っていました。
東洋医学では7情と言って感情を7つに分け腎は驚きと恐れが関連します。ちょうど恐れと驚きで身動きできなかったのですがその時怪談話で背筋がゾクゾクっとすると同じ寒気が眉の付け根から数㎝くらいの幅で左右に分かれてゆっくりと頭に上っていき首から背骨の両脇3㎝位を下がっていき、おしりから足に移るときは足の真後ろをゆっくりと下がっていきかかとまで下がると消えました。腎系と表裏の関係にある膀胱系の経絡の流れに沿って下がっていったのです。不思議な体験でそれでも冷静に自分を眺めていました。いきなり目の前ががさっという音と共に足音が響き5mくらいある土の尾根が地震のように揺れました。助かったと思いました。しかしまたいつ襲われるか分からない状態で恐怖を感じながら頂上に戻りましたが誰もいませんでした。私が恐れと恐怖に襲われた時に体験した経絡の実証体験でした。